2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療の最適化を目指したバイオコンジュゲート化アデノウイルスベクターの創製
Project/Area Number |
05J09962
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
衛藤 佑介 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター / Polyethylene Glycol / ターゲティング |
Research Abstract |
本研究は、水溶性高分子Polyethylene Glycol (PEG)によるアデノウイルスベクター(Ad)表面のバイオコンジュゲーションにより、Adの優れた遺伝子導入効率・発現効率を損ねることなく、ターゲティング能を有し、Adの欠点のみを克服したハイブリッド化Adの創製を目的としている。 本年度は「PEG修飾Adの修飾率と体内動態および遺伝子発現特性の連関評価」、「腫瘍への受動的ターゲティングを利用したPEG修飾Adの癌遺伝子治療実験」、「修飾PEG鎖の分子量や修飾率を種々検討することによる癌への受動的ターゲティング効果の最適化」、「RGD導入PEG修飾Adの結合特異性ならびにin vivo遺伝子発現特性」について検討し、以下のような成果を得た。 修飾率の増大に伴う、PEG修飾Adの血中滞留性の飛躍的な向上を達成した。最適な修飾率を有するPEG修飾Adは、EPR効果(Enhanced permeability and retention effect)による腫瘍への受動的ターゲティングが達成されることを明らかにした。 PEG修飾AdのEPR効果を利用して、Meth-A担癌マウスに対してTNFα遺伝子を用いた癌遺伝子治療実験を行った結果、抗腫瘍効果の増強と肝臓での副作用の軽減が達成されることを明らかにした。 EPR効果の最適化を目指して分子量や修飾率のことなる各種PEG修飾Adを作製し、in vivo遺伝子発現特性を評価した結果、分子量20000、修飾率40%程度のPEG修飾Adが、最も腫瘍選択的な遺伝子導入能に優れていることを明らかにした。 RGD導入PEG修飾Adの結合特異性を競合阻害実験で評価した結果、integrin特異的な遺伝子導入を明らかにした。また、本ベクターはin vivo投与においても十分な遺伝子発現活性を示すことを肝臓で確認した。
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Research Products
(3 results)