2007 Fiscal Year Annual Research Report
細菌べん毛フックの自己構築と形態変換スイッチ機構の解明
Project/Area Number |
05J09971
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
守屋 奈緒 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サルモネラ / べん毛 / フック / 長さ制御機構 / 自己構築 |
Research Abstract |
(1)平成18年度の発表論文で提唱したフックの長さ制御機構のモデルの検証 (i)テープメジャーモデルの検証 in vitroで検出したFliKのN末領域(FliKN)とフック構造との相互作用がin vivoでテープメージャー機能を果たしてしているか確かめるために、N末領域に31残基欠損があるFliK変異体を解析した。この変異体が、物差しとして野生株レベルで機能するためには、大量発現の条件が必要であり、フックキャップとの相互作用は低下していなかったもののフックとの相互作用が著しく悪くなっていた。以上の結果から、FliK_N-フック間の相互作用はFliKが輸送過程でフック長を測定するのに重要であることが示唆された(論文準備中)。 (ii)分子タイマーモデルの検証 FlhBのC末側の細胞質ドメイン(FlhBc)の自動切断が、ロッド/フック型基質の輸送効率をFliKとは独立で自動的に下げるタイマーとして働いているかどうか検証するために、自動切断が最初から起きている状態をプラスミド上で作り出し、野生型FlhBとロッド/フック型基質の分(泌量を比較した。Minamino&Macnab(2000)で報告されたフックキャップ蛋白質だけでなく、FliKを含め他のロッド/フック型基質も、最初から切断が起きているFlhB変異体では分泌量が低下し、フックが完成するタイミングも遅れており、分子タイマーモデルを支持する結果を得た。 (2)フック蛋白質の不安定領域の解析 フック蛋白質の不安定領域の自己集合における働きと輸送シグナルの知見を得るために、フック蛋白質の両末にある構造的に不安定領域を10残基ずつ削った変異体を解析した。N末の一部の不安定領域以外は、フック蛋白質の重合に非常に重要であることが分かり、フックのらせん型の形態を作るのに大事な領域、フック蛋白質の輸送に必要な領域を同定した(論文準備中)。
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Research Products
(5 results)