2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09997
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 みどり Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | セマフォリン / プレキシン / T細胞の活性化 / EAE / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
従来、神経ガイダンス因子として知られてきたセマフォリンファミリーと、その受容体であるプレキシンファミリーが、近年免疫系においても重要な機能を担っていることが明らかになりつつある。セマフォリン受容体の一つであるplexin-A4は、神経系においてNeuropilin-1(NP-1)と受容体複合体を形成し、Sema3Aのシグナルを伝え、神経軸索の化学反発を誘導する。RT-PCRによる解析から、T細胞や樹状細胞といった免疫細胞において、plexin-A4の発現が確認されたことから、免疫系におけるplexin-A4の機能解析を行った。 Plexin-A4欠損マウスにT細胞依存性抗原を免疫すると、野生型マウスに比べ、抗原特異的T細胞の活性化の亢進が認められた。また、plexin-A4欠損マウスでは、myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)ペプチドを免疫することで誘導される、ヒト多発性硬化症の動物モデルである、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)の症状が増悪した。さらに、plexin-A4欠損T細胞では、in vitroにおいて抗CD3抗体や異系マウス由来の樹状細胞の刺激に対して増殖応答が亢進し、Zap-70やLatといったTCRシグナル分子のリン酸化の増強が認められた。さらに、Sema3A-NP-1シグナルを欠損するT細胞(III型セマフォリンとの結合を阻害した変異型NP-1を発現するマウス由来、あるいはSema3A欠損マウス由来)では、plexin-A4欠損T細胞同様、抗CD3抗体や異系マウス由来の樹状細胞の刺激に対して、増殖応答の亢進が見られた。 以上の結果より、plexin-A4は免疫系においてNP-1を介してSema3Aを含むIII型セマフォリンのシグナルを伝えることにより、T細胞の免疫応答を負に制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)