2005 Fiscal Year Annual Research Report
極域における大気エアロゾルおよび雲の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
05J10027
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
矢吹 正教 国立極地研究所, 研究教育系, 特別研究員(PD)
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Keywords | エアロゾル / 雲 / 多波長ライダー / ミー散乱 / 極域 |
Research Abstract |
平成17年度は、4月から10月にかけて、南極昭和基地で行う多波長ミー散乱ライダー観測装置の設計、シミュレーションおよび動作試験を行った。南極におけるエアロゾル密度は非常に小さいため、高精度の観測システムが必要となる。本研究費補助金は、主にノイズを低減するための観測・解析用物品の調達に使用し、狭い半値幅をもつ狭域干渉フィルター(35万円)および一次データ取得・解析用のデジタルオシロスコープ(48.3万円)などの購入費などに充てた。また、詳細なエアロゾル・雲の物理特性を導出するための新しい解析方法を確立し、膨大なデータに対しても解析可能な収束の早いプログラムの作成を行った。南極に到着後、平成18年1月から昭和基地にて多波長ミー散乱ライダーの組立作業を行った。輸送時の観測機材の破損もあり修理・調整に時間を要したが、3月末にはすべての機器の設置が完了し、本格的な観測を開始した。 今年度は、4月から12月まで月200時間程度の多波長ライダー観測を定常的に行い、エアロゾルと雲の間接効果に関する研究を進めていく。また、詳細なエアロゾル・雲物理パラメータの導出を目的とした校正観測のため、計8回のエアロゾルゾンデと多波長ライダーとの同期計測を予定している。また、雲生成と密接な関係のある水蒸気密度の高度分布に関する情報を得るため、5月から8月までの極夜期に、ラマン散乱光を用いた水蒸気ラマンライダー観測も行う予定である。
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