2006 Fiscal Year Annual Research Report
洋上水蒸気の安定同位体比測定による南極アイスコア水蒸気起源海域の環境変動復元
Project/Area Number |
05J10029
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
植村 立 国立極地研究所, 研究教育係, 特別研究員(PD) (00580143)
|
Keywords | 安定同位体 / 水蒸気 / d-exeess / アイスコア / 氷床コア / 南極 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究は、アイスコアの水同位体比を水蒸気から雪に至までの循環の視点で捉え、特にアイスコアの雪の起源(初期値)としての海洋上での水蒸気に注目して同位体比分析を行う。さらに、その結果を世界的にも数少ない極域探層アイスコアである南極ドームふじアイスコアのd-excess記録の解析に利用し、気候変動メカニズムに関する新たな知見を与える水蒸気起源海域の海洋環境変動記録を得ることを目的としている。 本年度は、昨年度インド洋上で採取した水蒸気試料の同位体比分析を行った。 1)採取した水蒸気の水安定同位体比分析をより少ない試料量で高精度でおこなうために、質量分析計の全処理装置の改良を行った。結果は国際誌に論文として発表した。 2)水蒸気試料の同位体分析 水蒸気の同位体比分析を実施した。海洋上の大気に含まれる水蒸気の安定同位体比が高緯度にいくにつれて軽くなること、d-excessが相対湿度とよい相関があることが分かった。また、水の安定同位体比研究で世界をリードしている研究所(CEA-CNRS,フランス)に3週間滞在し、データ解析と情報交換を行った。この結果はアメリカ地球物理学学会等で発表した。 3)南極ドームふじアイスコアの氷期における水の同位対比の再分析を行うために、北海道大学低温研究所で氷試料の再カットを行った。これは、昨年度実施した水同位体比の測定結果が他の主要な南極深層コアの結果と異なる特徴を示したため、データの再確認をすることを目的としている。採取した試料の同位体比分析を実施中である。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Journal Article] Estimation of net accumulation rate at a Patagonian glacier by ice core analyses using snow algae2007
Author(s)
Koshima, S., Takeuchi, N., Uetake, J., Shiraiwa, T., Uemura, R., Yoshida, N., Matoba, S., Godoi, M.A.
-
Journal Title
Global and Planetary Change (印刷中)