2005 Fiscal Year Annual Research Report
知的財産と競争-携帯電話組み立て企業の経営成果に影響するサプライヤー企業の特許-
Project/Area Number |
05J10142
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高 永才 一橋大学, 大学院・商学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 携帯電話端末企業 / 部品サプライヤー / 通信業社 / 特許 |
Research Abstract |
日本の携帯電話端末企業と部品サプライヤーの関係は、携帯電話端末企業と通信業社(NTTドコモ、au、ボーダフォンなど)の関係によって影響を受ける。日本の携帯電話端末産業は、まず、通信業社からの製品企画が存在し、それに基づき端末が開発されることが多い。よって、携帯電話端末企業は、それに合わせた形で製品開発を行っていく中で、部品サプライヤーとの関係を構築する。携帯電話端末に使用される部品の中には、携帯電話端末の直接要求ではなく、NTTドコモなどの通信業社の直接な要求(部品サプライヤーへの)によって部品が開発されることも存在する。 よって、部品サプライヤーが提供する部品は、通信業社、携帯電話端末企業、部品サプライヤーの3社間における綿密な計画の下、開発、生産される。 特許に関して言えば、部品サプライヤーが提供する部品が携帯電話端末の中核となり、市場競争模様を変化させるくらいの影響力がない限り(クァルコムのCDMAチップ)、携帯電話端末の成果に大きく影響するとは言い難い。ただし、通信やコンテンツ機態(例えば、お財布携帯や定期としての機能)が日々増加している今日、通信機能やコンテンツを実行と関連するネットワーク網やコンテンツ内容などにおける特許が、どれくらい携帯電話端末企業の成果に影響しているかは、考察されていない。部品そのものよりは、通信機能、コンテンツといったデータと関わる特許が、部品の特許より成果とかかわりを持ち、企業経営に影響を与える可能性を含む現状である。
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