2006 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障制度の経済分析-医療・年金・介護に関する実証分析-
Project/Area Number |
05J10149
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
湯田 道生 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会保障制度 / 公的年金制度 / 公的医療保険制度 / 公的介護保険制度 / 高齢者医療需要 / 喫煙習慣と喫煙政策 / 理論分析 / マイクロデータを用いた実証分析 |
Research Abstract |
18年度,取り組んだ研究課題は,(1)「高齢者の外来医療需要における総価格弾力性の計測」,(2)「喫煙習慣が労働生産性に及ぼす影響」,(3)「国民健康保険財政の効率性に関する分析(仮題)」の3つである。 (1)「高齢者の外来医療需要における総価格弾力性の計測」は,高齢者の医療需要行動を,価格と時間費用,通院費用とそれらの総和である総価格の観点から経済学的に分析したものである。この論文は,2006年度日本経済学会春季大会(福島大学)で報告した後に,査読雑誌『日本経済研究』の審査を経て,同雑誌から掲載決定の通知を頂き,2007年中に刊行される予定である。 (2)「喫煙習慣が労働生産性に及ぼす影響」は,喫煙習慣が賃金や欠勤といった労働生産性に及ぼす影響を,2003年に施行された健康増進法やたばこ税の増税といったNatural Experimentを用いて,筆者の知る限りではわが国で初めて計量経済学的に検証したものである。この論文は,2006年10月に近経研究会(横浜国立大学)で報告し,現在,英語ジャーナルに投稿する準備をしているところである。 (3)「国民健康保険財政の効率性に関する分析(仮題)」は,確率フロンティア分析という計量経済学的な手法を用いて,国民健康保険財政の効率性に関して分析を試みようとするものである。現在,昨年末から今年1月にかけて収集した北海道・東北・関東・甲信越圏内の各市町村国保の財務データを,分析可能なデータセットへ整備をしているところである。
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Research Products
(2 results)