2006 Fiscal Year Annual Research Report
成人教育の社会的機能に関する史的研究スウェーデン型生涯学習社会の形成過程分析
Project/Area Number |
05J10161
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
太田 美幸 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 成人教育 / 民衆教育 / 学習社会論 / 社会運動 / スウェーデン近代史 / 教育政策 / 生涯学習 / 学習サークル |
Research Abstract |
本研究の課題は、(1)スウェーデンにおける民衆教育の思想的特質を明らかにすること、(2)成人教育の機能の歴史的変遷を明らかにすることの二点であり、今年度前半は、昨年度に引き続き後者に関する作業をおこなった。昨年度末に実施した現地調査の成果をまとめて、論文「スウェーデン民衆教育における移民たちの政治的文化実践」(日本学習社会学会年報第2号)として発表したほか、5月から6月には再度現地調査をおこない、その成果を日本学習社会学会第3回大会で「スウェーデンにおける民衆教育と『新しい社会運動』のかかわり-フェミニズム運動を事例として』と題して報告した。 年度後半には、世紀転換期におけるスウェーデン社会思想の特質、特に社会民主主義思想の系譜と労働運動との関連から、労働者文化の形成あるいは農村の近代化過程とそこにおける学習活動の意義について検討する作業を中心におこない、それをもとに、かつて国家が教会を通じておこなった国家統治のための民衆教育が中間層による民衆啓蒙活動を経て民衆自身によって組織化され自律化していく過程、そこでの「民衆教育」概念の変容の過程を分析した。 また今年度は、スウェーデン民衆教育の歴史的展開からスウェーデン型生涯学習社会の形成過程とその構造的特質を探るという課題設定のもと、これまでの研究成果を博士学位請求論文としてまとめた。
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Research Products
(1 results)