2005 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀ウクライナ詩文学におけるナショナル・アイデンティティ
Project/Area Number |
05J10359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 義也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウクライナ / 詩 / 文学 / アイデンティティ / ナショナリズム / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
平成17年度の研究の主旨は、年次計画に従って規定の課題を政治的次元で再認識することであった。ウクライナ詩文学の政治的再考とは、何よりもまずそのウクライナ性の起源をめぐる考察であり、次にフメリニツキー台頭からソビエト崩壊に至る近現代の民族興亡史の考察である。O.スブテーリヌイその他の歴史書、L.コステンコやP.ティチーナの歴史詩、またウクライナ文学史・政治史の分野で先駆的かつ包括的な研究を行なっているキエフのV.モーレネツ教授、北米のG.グラボーヴィチ教授、東大の中井和夫教授らの著書を丹念に読み解く作業は、こうした研究の骨子となった。 具体的な研究実績としては、以下のものが挙げられる。 (1)第6回国際ウクライナ学会(ウクライナ・ドネツク)への参加および研究報告。題目は「ナショナル・アイデンティティの成分としての歴史的要素」(原文ウクライナ語)。 (2)ウクライナ研究会会報『ウクライナ通信 第14号』への学会参加報告掲載。 (3)『啓蒙の言葉』誌(ウクライナ・キエフ)の特集「時代とスタイル」に寄せて、現代日本文化論「書とは何か」(原文ウクライナ語)を投稿。 (4)ウクライナ研究会 第20回研究報告会(東京大学)での研究報告。題目は「ナショナル・アイデンティティと文学」。 (5)2004年に脱稿、翌年加筆修正を経て投稿していた論文(原文ウクライナ語)の掲載。題目は「作者の実存的具現としての文学テキスト」(『マギステリウム文学研究』KMアカデミヤ、キエフ、2005年第21号、81-94ページ)。 (6)『世界地名大事典』(朝倉書店、2007年刊行開始予定)改訂版におけるウクライナ関連項目の執筆。
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