2005 Fiscal Year Annual Research Report
顔に変形を有する児童に対する発達臨床的支援プログラムの開発とその実践的活用
Project/Area Number |
05J10384
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 学 東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員PD
|
Keywords | 口唇口蓋裂 / 顔の変形 / 発達的支援 |
Research Abstract |
顔に変形を有する児童に対する発達臨床的支援プログラムを開発するために,本年はその実態調査を行ない,その報告を学会発表や論文投稿によって行った。 調査については,特に発達的な影響が大きいと考えられる先天的な変形のうち,比較的発生率が高い口唇口蓋裂を有する人々を対象として,実態調査を行った。調査に際しては,特に,発達早期からの養育者と顔に変形をもつ子どもとの関係性の構築等の家族環境、友人との関係性,就学前後からの他者に対するコーピングスキルの獲得、児童期など各発達段階における発達レベルにふさわしい顔の変形の認知などが患者の心理的適応にどのように影響しているかを調査した。調査協力者は,形成外科・口腔外科を退院後の20-30代口唇口蓋裂患者24名であり,東北大学歯学部付属病院外来において、2005年7月から2006年1月まで、継続的に面接調査を行なった。 実態調査の結果は、各発達段階ごとの患者の発達的特徴と課題,および心理的支援のモデルを提起する形でまとめられ、発達心理学会で一部を発表後,東京大学紀要に「口唇口蓋裂が患者の適応に与える影響-患者の発達的支援モデルへ向けて-」という形で,投稿(現在印刷中),さらに発達心理学研究に「口唇口蓋裂患者の心理的苦痛と転機:探索的インタビューに基づく仮説的発達移行モデルの構築」という形で投稿した(審査中)。あわせて心理学研究にも先行研究についてのレビューを投稿中である(「Visible Differenceにまつわる心理的問題:その発達的理解と支援モデルの構築」)。 また,7月に9th European Congress of Psychology(スペイン)において、研究成果を報告し、さらにイギリスチャリティChanging FacesおよびUniversity of West Englandにおいて世界の研究動向について知見を収集した。
|
Research Products
(1 results)