2007 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける労働市場及び所得分布と移住意思決定・移住機能の経済分析
Project/Area Number |
05J10389
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 真理子 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 個表データ / 移住の意思決定 / 雇用動機 / 移住原因 / 居住環境 / インド / 地域ダミー / 賃金動機 |
Research Abstract |
1993年度の移住、および家計の状況(住居、職業等)National Sample Survey 49th roundの個表データを分析、更に他年度における職業、失業統計とデータをマッチングさせることにより、男子の移住原因が雇用動機、もしくは賃金動機に強く影響されることが明らかにし、より詳細な移住と雇用との関係を統計的に明らかにした。 さらに、雇用統計、移住統計だけでなく、居住環境によってデータをマッチングさせることにより、家計の規模、住環境、家庭構成などの所与の資産保有状況が移住の意思決定に与える影響を精査するための精細な基礎データセットを作り上げ、これに気候ダミーや地域ダミー(北インドダミー、西インドダミー、南インドダミー等)を組み合わせることにより、農業と移住との関係を明らかにすることが可能となった。また、数年度分の雇用統計の差分により、移住によって職業がどう変化し、どう賃金が変化したかを追跡可能にするためのデータセットの基礎を構築した。 インド統計局によるデータは精細をきわめており、そのデータ自体は非常に信頼性の高いものであるものの、一方、職業別、とりわけ高学歴エンジニアのシグナリングが高く観察され、より実地に接したデータ採取の必要性に直面した。なお、南インド、ケーララ州においては依然アラブの好景気を受け、広くアラブ諸国への移住は顕在化しており、その実情を調査する必要性を強く感じ、Centre of Development Studies (Trivandrum、Kerala, India)における08年度の研究協力を取り付け、現地調査に向けての準備を行った。
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Research Products
(1 results)