2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J10414
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 美季 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 琉球王国 / 東アジア国際関係 / 中国型世界秩序 / 日本型華夷秩序 / 中・日の支配論理 / 中日の秩序の継ぎ目 / 史料収集 / フィールドワーク |
Research Abstract |
近世の東アジア国際関係を、その重要な要素であった中国型世界秩序と日本型華夷秩序の狭間に存在した琉球王国を題材に検討する。具体的には、琉球王国の国家構成原理の中に「中・日の支配論理」がどのような形で内在化していたのかを検証し、ミクロ/マクロな観点から中日の秩序の継ぎ目の具体的な構造を解明することを目的としている。そのため本年度は史料収集とフィールドワークを行いつつ、来年度提出予定の博士論文の執筆にも時間を割いた。以下の如くである。 (1)昨年度に引き続きイリノイ大学所蔵の近世東アジア関係史料の調査を実施し、琉球に渡来した冊封使関係史料などを確認した。(2)沖縄本島における史料収集(主に家文書の収集)とフィールドワーク(近世期の港市施設の調査)を実施した。(3)日本国内(東洋文庫・国立公文書館・尊経閣など)における中国(明清)の「地方志」及び「文集」における琉球関係記事の調査・収集を行った。(4)中国・福建省沿海部において琉球関係史跡と港市との関連性について調査を行った。(6)これらの研究の成果発表を行った。[学会報告:The 5th International Conference on Okinawan Studies(イタリア)、論文発表:「「近世琉球と「日本の国境」」(『近世地域論フォーラムI 列島史の南と北』吉川弘文館)・「鳥原宗安の明人送還」(『ヒストリア』)など](7)昨年度に実施したアメリカ合衆国のピーボディエセックス博物館の海事関係史料(主に近世期の古地図)の調査の成果に基づき論文「竹森道悦と地図奉納」(『九州史学』)を発表した。
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Research Products
(2 results)