2007 Fiscal Year Annual Research Report
立地モデルの精緻化:不完全競争下における企業の立地選択と集積の分析
Project/Area Number |
05J10424
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 昭 The University of Tokyo, 社会科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 品揃え / 商業集積 / 立地選択 / 公的企業 |
Research Abstract |
品揃えが店舗の立地にどのような影響を及ぼすか、という点をメインテーマとして、不完全競争の理論モデルを構築して分析を行っている。 19年度は、18年度に検討してきた「新規出店企業の店舗規模(品揃え)が、当該店舗の立地に与える影響」に関して引き続き分析を進め、論文として完成させた。当該論文は社会科学研究所内において発表を行った上で投稿した。その後改訂要求をうけ、現在修正稿を提出済み(審査結果待ち)である。 また、これと並行して、競争における公的企業の役割についても検討を進めた。これは一見すると立地と無関係にみえるものの、実際には店舗立地に関する政策的含意を考察する際に無視できない要素である。なぜなら、商業集積などの地域振興を企図した地方政府の政策介入は(規制や税制といった施策のみならず)しばしば第三セクターなどによる直接的な参入という形をとることがあるからである。この分野では、いわゆる混合寡占(ないし混合複占)と呼ばれる状況、すなわち「企業行動に公的な介入が行われるような企業と、通常の民間企業との間で競争が行われている状況」を共同プロジェクトによって分析し、4本の論文として完成させた。これらはいずれも投稿中、ないし再投稿先を選定中である(4本のいずれも、少なくとも1回は投稿している)。 さらに、これまでの研究成果をまとめて整え、博士学位論文として提出した(2007年8月)。この最終審査(10月)を通過し、学位を修得した(11月)。
|