2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロファブリペロー干渉計を利用した分光内視鏡による生体微小領域計測
Project/Area Number |
05J10542
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土肥 徹次 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分光内視鏡 / ファブリペロー干渉計 / MEMS光フィルタ / 薄膜ミラー / 生体計測 |
Research Abstract |
本年度は,分光内視鏡における光フィルタとして,マイクロファブリペロー干渉計の試作と特性向上を行った.これまで試作していたファブリペロー干渉計では,干渉計ミラー部の吸収が強く,反射率・平坦度が十分ではなかった.特に分光内視鏡で,RGB画像や赤外線画像などの多種類の画像を取得できるように,400〜1100nmの範囲で利用できるように研究を進めた.そのため,薄膜ミラーとして(1)Si 25nm,(2)Al 7nm,(3)SiN 70nm,(4)Si/SiN/Si 10/25/10nmの4種類の薄膜ミラーについて理論的な検討を行い,(4)Si/SiN/Siの3層構造ミラーによって,ミラー部の吸収を低減しつつ,高い反射率特性を維持できることがわかった.さらに,この3層構造ミラーを持つファブリペロー干渉計を,ラージスケール及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスにより試作した.MEMSプロセスによる試作では残留応力のためミラー平坦度が損なわれてしまったが,ラージスケールではミラーの特性向上を確認した. 次に,マイクロファブリペロー干渉計の製作プロセス簡略化と動作電圧の低減を目標として,利用波長領域を赤外線領域に限定し,既存のSOI(Silicon On Insulator)ウェハを用いる手法を試みた.この手法ではミラー部における吸収が強く,分光特性は落ちてしまったが,プロセスの簡略化と,ファブリペロー干渉計の駆動電圧が0〜300Vであったものを0〜30Vまで低減することを実現した.
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