2006 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス伝達の可視化解析によるシナプス可塑性制御機構の解明
Project/Area Number |
05J10658
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
並木 繁行 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | グルタミン酸 / シナプス / イメージング |
Research Abstract |
前年度に引き続き、新規グルタミン酸可視化プローブの開発と神経細胞への応用を行なった。前年度までに完成させていたプロトタイプ(EOS)の更なる改良を行なった。骨格となるグルタミン酸結合ドメインに変異体と低分子蛍光色素とのコンジュゲートによるハイブリッド型グルタミン酸可視化プローブの改変によって、いくつかEOSを上回る性能を有するものが得られた。これらのプローブ候補に対して定量的な機能評価を現在進めており、近い将来の神経細胞での実験への実用化が期待される。前年度までに完成させたEOSを神経細胞でのグルタミン酸放出を検出する実験に適用した。EOSをビオチン-ストレプトアビジン結合を利用し、海馬神経細胞上に固定化することに成功した。活動電位依存的に放出されたグルタミン酸を可視化することに成功し、電気生理学的手法では得られることが不可能であった空間情報を取り込んだ解析を実現した。さらに一発の活動電位しか発生しない条件でも非常に優れた空間解像度でのイメージングを実現した。ホルボールエステルによるプレシナプス活性化の可視化にも成功し、シナプスごとに活性化の程度が異なることが明らかになった。以上の結果を投稿論文としてまとめ、European Journal of Neuroscience誌に投稿し、受理された。 改変型のEOSを用いて単一シナプスレベルでのプレシナプスからのグルタミン酸放出の定量的解析を進め、シナプスの量子的振る舞いを解析を行った。
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