2005 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物一根粒菌共生のフィードバック調節と病害による全身誘導抵抗性の比較解析
Project/Area Number |
05J10698
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 知己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | マメ科植物 / 共生窒素固定 / 全身獲得抵抗性 / 根粒菌 / 遠距離シグナリング / ミヤコグサ / ジャスモン酸 |
Research Abstract |
本研究はマメ科植物の根粒菌共生における全身的なフィードバック制御(オートレギュレーション)と、病原菌に対する防御応答の関連について調べることを目的としている。今年度はまずオートレギュレーションの発動を正確に捉えるために、この機構で中心的な役割を果たすHAR1タンパク質の活性化の指標となるマーカー遺伝子の探索を行った。 HAR1は地上部で機能する受容体型キナーゼであり、根系全体の根粒形成数を制御する。この全身的な根粒数制御機構には遺伝子の発現変化が伴うと予想される。そこで根粒菌接種前後でミヤコグサの地上部で発現が変化するが、har1変異体では変化の見られない遺伝子を最初の探索の指標とした。約18000のミヤコグサESTをスポットしたcDNAマクロアレイ(Kouchi et al.,2004)を用いて実験した結果、上記の条件を満たす遺伝子は皆無であった。マクロアレイは広範な遺伝子発現を解析できるが、発現量が比較的に高い遺伝子を解析する技術である。現在、より感度の高いClontech社のPCR-select cDNA subtraction kitを用いてマーカー遺伝子の探索を行っている。これまでに根でHAR1依存的な発現パターンを示す遺伝子の単離に成功している。 また、全身的な病原抵抗性の誘導に関与する植物ホルモン、ジャスモン酸がオートレギュレーションに関与する可能性があることを発見し、その成果を2006年度のPlant and Cell Physiology誌に発表した。
|
Research Products
(1 results)