2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜上皮におけるストレスMAPキナーゼ分子群の役割の解明
Project/Area Number |
05J10755
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 寿枝 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ストレス応答 / MAPキナーゼ経路 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
超高齢化社会を迎えた我が国において、顎口腔領域における癌、炎症、免疫疾患の克服とその機能保全は極めて重要な課題であるがいまだ達成されていない。その一因として、顎口腔組織における細胞の分化、再生、死の分子メカニズムに関する検討が十分になされていないことが挙げられる。そこで本研究課題では、特に口腔粘膜上皮細胞の分化、再生、死に関わる細胞内シグナル伝達機構を明らかにすることを目標とし、遺伝子ノックアウトマウスの作製を主な手法とした解析を行う。2004年度までに申請者は、真核細胞生物の細胞内シグナル伝達機構の根元を構成するMAPキナーゼシグナル伝達経路、特にストレス感受性MAPキナーゼ経路(ASK1-JNK・p38経路)の解析に精力的に取り組んできた。この研究基盤を元に、2005年度においては、ストレス応答性MAPキナーゼファミリーの一員で、ASK1と同じくJNK・p38経路を活性化するMEKK2の活性化機構を明らかにするため、酵母Two-hybrid法を用いてその結合分子の探索を行った。その結巣、タンパク質分解経路に関わるE3ユビキチンリガーゼの一つCHIPを同定した。2006年度はCHIPの機能解析、ならびにMEKK2への役割について検討を行った結果、CHIPがMEKK2のリン酸化状態を認識して結合し、分解することで負の制御を行うことを明らかとした。またASKファミリー分子に関しては、ASK2ノックアウトマウスの作製を終え、現在その解析を行っている。今後は引き続き上記研究内容を継続、応用させることにより、ストレスMAPキナーゼシグナル伝達機構が「口腔粘膜上皮細胞の一生(分化、機能、死)」において生理的、病態科学的にどの様な役割を果たしているかを解明することにつなげる。
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Research Products
(2 results)