2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジェミニウイルスベクターを用いた効率的な相同組換え手法の確立
Project/Area Number |
05J10764
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 尚志 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ジェミニウイルス / 組換え |
Research Abstract |
本研究では、ジェミニウイルスの機能を利用して外来遺伝子の植物ゲノムDNAへの相同組換え頻度を上昇させる系を確立することを目的としている。まず、ベゴモウイルス属のBean golden mosaic virus、クルトウイルス属のBeet severe curly top virus、マストレウイルス属のTobacco yellow dwarf virusの感染植物をAmerican Type Culture Collectionから輸入し、ゲノムDNA全長となる約3kbのDNA断片をPCRにより増幅し、クローン化した。次に感染性クローン作製のため、複製開始点を2つ含むように、ゲノムDNA全長をタンデムに約1.5コピーとなるようなコンストラクトを作製し、バイナリーベクターに導入した。これらのベクターをアグロバクテリウムに導入し、インフィルトレーション法により宿主となる植物にそれぞれ接種した結果、全身感染が確認され、病徴が再現できた。以上の結果より、これらのベクターは感染能を持ち、タバコやシロイヌナズナなどのモデル植物を含むさまざまな植物における解析が可能となった。 次に、感染率の低い宿主に対するウイルスの感染率を上昇させる実験系の確立を試みた。ジェミニウイルスの複製酵素(Rep)はウイルス複製を開始させる重要なタンパク質であるため、ウイルス感染時にRepを感染細胞内で高発現させると複製効率が上昇し、感染率が上昇する可能性が考えられる。そこで、植物体内で機能するプロモーター配列などと共にRepを発現ベクターに導入することで目的のコンストラクトを作製した。この実験系の確立により、効率的な相同組換え手法がより多くの植物に適用できると期待される。
|
Research Products
(2 results)