2006 Fiscal Year Annual Research Report
IL-1受容体アンタゴニストノックアウトマウスにおける睡眠障害に関する解析
Project/Area Number |
05J10785
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 千里 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | IL-1 / stress / anxiety / depression |
Research Abstract |
IL-1は炎症反応において重要な役割を果たしていることはよく知られていたが、ストレスが負荷された際にも脳内でmRNAレベルでの発現が上昇することが報告されるようになり、炎症時以外でも神経系において何らかの働きを担っていることが示唆されている。当研究室ではすでに、IL-1の受容体アンタゴニストを人為的に欠損させたIL-1受容体アンタゴニストノックアウトマウスが作製されており、IL-1シグナルが恒常的にIL-1受容体に伝達されていると考えられている。このマウスを用いて、神経系に対するIL-1の役割を解析するために、さまざまな行動試験を行った。その結果、8週齢においては、野生型マウスに比べて、ノックアウトマウスでは強制水泳試験(FST)やtail suspension試験(TST)などにおいて、いずれも有意に不動時間が少ない「抗うつ様行動」を示し、20週齢になると、有意に「不安様行動」を示すことが明らかとなった。この不安様行動は、抗不安薬であるジアゼパムを投与することにより改善されることから、GABA系シグナルがKOマウスでは弱くなっている可能性があり、IL-1がGABA系に影響を及ぼしていることが示唆された。 また、WTとKOとで慢性拘束ストレス負荷後に異なる行動異常を誘導することを見いだした。このことは、WTとKOとでストレスに対する感受性が異なることを意味するものと思われる。IL-1シグナルがストレス感受性に関与していることが示唆されたが、詳細なメカニズムに関しては現在解析中である
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