2007 Fiscal Year Annual Research Report
IL-1受容体アンタゴニストノックアウトマウスにおける睡眠障害に関する解析
Project/Area Number |
05J10785
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 千里 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | IL-1 / anxiety |
Research Abstract |
本研究では、ストレス負荷時に脳内に誘導されるIL-1のストレスとの関係について明らかにすることを目的とし、IL-1受容体アンタゴニストノックアウトマウスを用いて実験を行ってきた。すなわち、IL-1受容体アンタゴニストノックアウトマウスでは、IL-1シグナルが過剰に誘導されているため、ストレス負荷を実験的に模倣しているモデルマウスととらえ、このマウスに精神的な障害(不安・うつなど)が誘導されるうかどうかについて、行動試験等を指標に解析を進めた。その結果、20週齢において不安様行動を表すようになることが判明した。この不安様行動がどのように誘導されるかを解明するために、GABAシグナルを増強させることがしられているジアゼパムを投与して、高架式十字迷路試験を行った。その結果、ジアゼパム投与群において、有意に不安様行動が改善されたことから、GABAシグナルが弱くなっていることにより不安が誘導されていることが明らかとなった。すなわち、GABAの脳内における濃度が低いためにGABAシグナルが弱くなっている可能性が示唆された。濃度測定などを行う必要があるが、現在準備中である。その他、不安に関係の深いセロトニンなどのモノアミン系物質の海馬における濃度に関して測淀を行った。8週齢以降のノックアウトマウスで増加している傾向にあったが、不安を示す20週齢以外でも代謝産物が多くなっていることから、行動異常とセロトニン代謝に相関関係はないと言える。セロトニンの量に関しては、有意差はないものの、ノックアウトマウスで増加傾向にあった。
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