2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J10792
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 聡 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NALT / CXCL13 / CCL19 / CCL21 / パイエル板 / 組織形成 / 胚中心 / 原基 |
Research Abstract |
初年度はNALT形成メカニズムのユニーク性を解明するという目的達成の為に特にケモカインのNALT組織形成ならびに構築における役割を検討した。CXCL13,CCL19,CCL21は二次リンパ組織の初期形成や構造維持に必須なケモカインとして知られている。これらのケモカイン遺伝子欠損マウスを用いてNALT組織形成におけるCXCL13,CCL19,CCL21の役割について検討した。CXCL13欠損マウスを用いた解析によると胎生期の腸管にはCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積を認めず、その結果、パイエル板は形成されなかった。ところがCXCL13欠損マウスのNALT原基にはCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積が確認された。CCL19及びCCL21の発現不全マウスであるpltマウスのNALT原基にはコントロールマウスと同等のCD3^-CD4^+CD45^+細胞の集積を認めた。以上の結果からこれらのケモカインはNALT初期形成に関与しないことが明かとなった。 ケモカイン群CXCL13、CCL19、CCL21は恒常的に二次リンパ組織で産生が認められ、リンパ組織構築の成熟化に重要な役割を果たしている。そこで我々はNALT組織構築への関与について検討した。CXCL13欠損マウスでは特にB細胞の遊走が傷害されており、B細胞領域がほとんど認められなかった。コレラトキシンを用いた経鼻免疫により正常マウスのNALTには胚中心が形成されるが、CXCL13欠損マウスのNALTには胚中心は認められなかった。一方でpltマウスのNALTはT細胞領域の形成不全を認めた。以上の結果から胚中心形成やT/B細胞領域などNALT組織構築の成熟化にはCXCL13、CCL19、CCL21が必須であることが明らかとなった。これらの結果を総合するとNALT形成過程におけるケモカイン群(CXCL13、CCL19、CCL21)の役割について明らかにすることが出来、現在NALT形成特異的なケモカインおよびサイトカインシグナルについて次年度に向けて検討を開始している。
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Research Products
(2 results)