2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ストレス耐性植物の分子育種に向けたストレス応答性P450経路の同定と機能解析
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05J10806
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋田 慎之介 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | シトクロムP450還元酵素 / NAD補酵素 / NAD合成酵素 / イネ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本年度得られた研究成果は次の通りである。 [1]NADPH-シトクロムP450還元酵素(CPR)遺伝子発現解析 種々の野生イネ系統を育成し,各系統におけるCPR遺伝子の発現をRT-PCR法によって比較解析した。その結果、CPR遺伝子の発現は系統間において大きな差は検出されなかった。従って、P450経路の活性化はCPR遺伝子の転写レベルではなくタンパク質レベルでの酵素活性調節である可能性が高い。 [2]イネおよびシロイヌナズナにおけるNAD補酵素含有量の解析 CPRの酵素活性は細胞内のNAD補酵素量に依存する。そこでイネおよびシロイヌナズナを用いて植物体各器官におけるNAD補酵素含有量を測定した。その結果、NAD補酵素量は各器官において様々な含有量を示し、特に細胞分裂あるいは細胞伸長が盛んな組織を含む器官で含有量が高い事を明らかにした。 [3]イネおよびシロイヌナズナにおけるNAD生合成経路遺伝子の解析 植物においてNAD補酵素の生合成経路に関する知見は少ない。そこで各器官においてNAD生合成酵素活性を測定した。その結果、NAD合成酵素活性は細胞分裂あるいは細胞伸長が盛んな組織を含む器官で高い活性を示す事を明らかにした。また、合成酵素候補遺伝子をクローニングし、試験管内で酵素活性を確認する事でNAD生合成遺伝子を特定した。 [4]高NAD補酵素含有イネおよびシロイヌナズナの作出 NAD補酵素量の増大はCPRを活性化すると考えられるため、NAD生合成経路遺伝子を高発現する形質転換イネおよびシロイヌナズナの作出を試みた。現在、形質転換植物の選抜中である。
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Research Products
(2 results)