2005 Fiscal Year Annual Research Report
韓国語における音調の類型とその歴史的変化のモデル化-全州方言を中心に-
Project/Area Number |
05J10866
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 文淑 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 韓国語 / 全州方言 / アクセント / 音調 / 変化 |
Research Abstract |
本研究は、韓国の各方言を調査することから始め、その結果を分析・比較する。それから比較によって各方言間にどういう相関関係が認められるかを考えるものである。さらに、上代に遡って中期朝鮮語と現代方言がアクセントの面でどういう関係にあるかも本研究の課題である。最終的には韓国語における音調変化を理論的に説明することにその目的がある。 平成17年度の成果は以下の通りである。 1.全州・光州を中心とする全羅道方言が持つ音調上の特徴が明らかとなった。 これまで二つの方言は行政区域上の理由で、全羅道方言という名前で同じ特徴を持つとされてきたが、全羅道方言の中でも様々な音調の形が存在し、特に全州と光州は音調の面では共通点と共に非常に異なる特徴を持つことがわかった。さらに、これらの方言は前者がより変化が進んだ形をしていることが言える。 2.ソウル方言の音調変化の輪郭が見えてきた。 ソウル方言の音調は、世代別の調査を行い、それらを比較することで若い世代に行くほど分節音の力が語全体の音調に大きく影響することがわかった。つまり、無アクセント方言と言われているソウル方言がまだ完全ではないが、いわゆる一型アクセントに変化していることが分かった。 3.中国の朝鮮族が使っている朝鮮語も調査の対象に含めた。 朝鮮半島と離れているハルピンの方を調査することで韓国語のアクセント変化においての普遍性を考えることができる。
|
Research Products
(2 results)