2006 Fiscal Year Annual Research Report
日常性の中の科学-19世紀フランクフルトにおける自然科学結社と政治文化
Project/Area Number |
05J10944
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 文子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近代史 / ドイツ / 国際研究者交流 / 結社 / 科学 / 都市 / 19世紀 / 政治文化 |
Research Abstract |
今年度の目標は、前年度に得られた知見を元に論文をまとめ上げることだったため、4月から夏期までは論文(`Science, Identity and Urban Reinvention in a Mercantile City-State : The Associational Culture of Nineteenth-Century Frankfurt am Main,'5月に初稿完成、加筆後British Journal for History of Science投稿予定)の執筆に専念した。その際に発生した様々な疑問や確認するべき事項を解消するために、5月および7月に渡英し、ケンブリッジ大学図書館において資料調査(日本で入手できない刊行史料および二次文献を閲覧)を行った。また、この滞在を利用して、同大学科学史科学哲学科に在籍する研究者との交流を深めた。帰国後は、夏期に得られた新たな資料を基に論文(「商業都市共和国における商業エリート層の知的戦略-19世紀前半のフランクフルト・アム・マインにおける自然誌結社を例に」ll月初稿完成。加筆後『社会経済史学』に投稿予定)を執筆した。その間10月にはドイツ都市史研究会で口頭報告を行い(「産業化時代の共同体戦略-19世紀後半のフランクフルトにおける公衆衛生改革と都市アイデンティティの転換」)、11月には関心を共有するドイツ語圏の研究者との交流を深め、フィードバックを得るために、ベルリンにある科学史の国際的なセンターであるマックス・プランク科学史研究所に客員研究員として滞在した。(渡航費と滞在費は自己負担。)12月以降は、これまでの報告や、12月の暦象研究会における報告(「19世紀フランクフルトにおける、都市アイデンティティの変容と公衆衛生学の確立」)などを通して同僚から得られた批判やフィードバックを下敷きに、論文の加筆修正をすることに専念した。
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