2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬物使用に対する社会的介入のあり方をめぐる社会学的研究
Project/Area Number |
05J11001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 秀幸 東京大学, 大学院・教育学研究科, DC2
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Keywords | 薬物使用 / 介入 |
Research Abstract |
平成17年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費)研究計画調書においても記したように、本研究は現代における薬物使用に対する介入のあり方を経験的・実証的に分析すると共に、こうしたあり方を現出せしめるに至った共時的・通時的背景に関して考察することを通して、最終的に、一つの近代/現代社会分析としての薬物使用研究を導くこと、ここにある。研究初年度である本年度は、薬物使用に対する介入形態としての「介入/予防」と「介入/処遇」の二つの位相に注目し、それらがどのような社会的背景の中で、いかなる関係性において、介入構造総体を形作ってきたのかに関する「歴史社会学的分析」を中心に展開された。 特に、戦後初期の「第一次覚せい剤乱用期」と呼ばれる時代に着目し、現代まで続く介入形態の原型をこの時期に求めるべく、歴史的資料や古書、書籍の収集が進められ、同時期の英国・米国における薬物使用に対する介入のあり方が記述された文献もあわせ、歴史的な分析が進められた。また、この時期の非行・逸脱の歴史的展開に造詣の深い研究者や、現代において薬物臨床にかかわる実務家などと、本研究のテーマに関して小規模な研究会を繰り返し開催し、その中で社会学的な問題設定の可能性が議論された。加えて、現代社会学の様々な理論・思想の中から、薬物使用に対する介入の研究にとって有意義かつ新奇な理論・方法枠組みを有するものを参考にすべく、薬物使用とは直接関係のない潮流からの議論も含め、幅広く文献を収集し、検討を行った。 こうした議論や研究の成果は、その一部がすでに単論文(下記)として提出されている。
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Research Products
(1 results)