2005 Fiscal Year Annual Research Report
他の交通機関との相互干渉を考慮した動的な歩行者交通流モデルの作成
Project/Area Number |
05J11022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 美帆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シュミレーション / 歩行者 / 駅空間 / セルトランスミッションモデル / トポロジー |
Research Abstract |
本研究は,駅構内等の歩行者の集中する空間における,歩行者のサービスレベル評価のためのシミュレーションモデルの開発を目的とする.本研究のモデルは大きく3つのサブモデルから構成される.まず歩行者空間上における経路生成モデル,次にその経路を基にした経路選択モデル,そして混雑を表現する流動モデルである. まず経路生成モデルについては,歩行者は2次元平面上の任意の方向へ移動することができるため,車両のようなリンクとノードからなるネットワーク上の経路選択モデルを単純に適用することができない.本研究では歩行者がトポロジーの等しい経路群,つまりある経路を障害物等に阻まれることなく連続的に遷移させることで生成される経路の集合をある1つの経路選択肢とみなすと仮定した.この選択肢を抽出するために,対象とする空間をいくつかの断面により分割し,その断面の通過順序をある経路選択肢と定義した.通過断面を定義することで,歩行者の経路選択肢の抽出に成功した.また,車両の経路選択モデルと類似した枠組みでの経路選択が可能となった. 経路選択モデルでは,これら抽出した経路選択肢別に歩行者交通量を配分する.さらに,各経路選択肢の中で,実際に歩行者がどのような軌跡を辿るのかについての決定を行う.そして流動モデルでは,経路選択モデルの配分結果の通りに歩行者を移動させることで,混雑や各歩行者の旅行時間を再現する.本研究では,セルトランスミッションモデルをベースとした流動モデルを考える.歩行者の流動モデルでは,方向や希望速度の異なる流動の交錯が,流動の再現性に影響すると考えられる.このような交錯による抵抗を密度ベースに換算し,セルトランスミッションモデルに適用するための定式化を行った.また,モデルの妥当性評価のために,流動調査やミクロシミュレーションとの比較を行っている.
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Research Products
(1 results)