2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 郷史 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 資源循環 / 外壁 / 汚れ / 資産価値 / 長寿命化 / 美観 / 表面形状 / 雨滴流れ |
Research Abstract |
これまでの研究では、美観に代表される社会評価、資産価値が建築分野における環境負荷を左右する重要な要因であるとの認識のもと、「汚れ予測システム」を構築した。本研究では、A)既往の研究および本研究の遂行者である藤本の修士論文における汚れのメカニズムの考察に基づいて、材料微細表面形状設計手法の開発を行うこと、また、B)手法の建築分野へのインパクトを評価するため、社会評価・資産価値を考慮した環境シミュレーションシステムを構築することを目的としていた。すなわち、本システムは建築物の設計者・発注者の材料選択、材料設計者の材料設計において社会資産価値向上と環境負荷低減を可能にすることを目的とした。 平成18年度は、上述研究テーマA)に関連して、新しい表面形状の創成を行うシステムを開発した。具体的には、(1)新たに石材以外の代表的な形状を持つ建築材料を17種程度選定し、接触型表面形状測定装置によって形状データを測定した。(2)このデータをもとに形状データを2次元濃度分布へと変換し、さらに座標変換によって2次元画像へと変換した。(3)上述2次元画像をフーリエ変換し異方性成分を無視したパワースペクトル分布として整理し、(4)既存の研究例に基づいて低・中・高周波数成分に分類した上でパワースペクトル分布の加算・乗算などを行い、(5)得られた分布を逆フーリエ変換し、形状データを復元するシステムを開発した。なお、上述の研究は東京理科大学の卒論生の多大なる協力のもとに行われた。 また、上述研究課題B)に関連して、環境負荷に与える意思決定の影響を考察することを目的として、生コンクリート協同組合の協同販売制度を取り上げて、輸送環境負荷への影響について検討した。具体的には、各意思決定主体が輸送負荷の最小化を志向した場合と、協同組合という社会制度に縛られた意思決定を行った場合を比較し、輸送環境負荷に2倍程度の違いがあることを指摘した。
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Research Products
(6 results)