2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹下 学 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 伝熱工学 / 沸騰熱伝達 / サブクール沸騰 / 気泡微細化沸騰 / プール沸騰 / 強制対流沸騰 / マイクロチャネル / 沸騰素過程 |
Research Abstract |
近年の電子デバイスの発熱量増加に対応するため,微細流路内流動沸騰を用いた冷却が期待を受けている.特に,作動流体の温度が低く熱流束が大きい場合,沸騰蒸気泡が凝縮の過程で微細気泡を射出し,高い熱伝達特性を示すことが知られている(気泡微細化沸騰).本研究は気泡微細化沸騰を用い,実用的なデバイスを開発するとともに,気泡微細化沸騰のメカニズムを解明することを目的としている. マイクロチャネル内気泡微細化沸騰: 高さ幅ともに2mm,長さ60mmの石英製矩形流路を作成し,熱伝達特性と圧力損失の測定,微細化過程の観察を行った.1.4MW/m^2程度まで良好な熱伝達特性を示したが,薄膜伝熱面の強度が弱く,それ以上の熱流束では焼損してしまった.圧力損失は低く抑えられているが,ある熱流束以上では流路後半で液温が上がることによって気泡の充満が起こり,環状流が発生,圧力損失が急増することが確認された. 単一蒸気泡の崩壊と微細気泡の射出: 気泡微細化沸騰の素過程を追うため,冷却された液中で単一蒸気泡を作り,観察を行う.伝熱面裏側のヒータをパルス的に通電加熱することにより,静止流体中に過熱液層(温度境界層)を生成し,水素気泡法により過熱液層内に気泡核を提供することで既知の温度分布における気泡成長と気泡崩壊を観察することができる。伝熱面はMEMS熱電対を加工したシリコン表面で,気泡底部の温度分布が計測できる.実験装置は完成し,今後,サブクール度,熱流束をパラメタとし実験を行う予定である.
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