2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属・セラミックス界面における破壊挙動の原子レベルでの直視観察と機能設計
Project/Area Number |
05J11091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 健夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サファイア / 表面 / 原子構造 / 透過型電子顕微鏡法 / その場観察 / き裂進展 / 表面再構成 / 原子緩和深さ |
Research Abstract |
研究代表者はサファイアの破壊挙動とへき開表面の原子構造との相関性について詳細に解析した。本研究では、透過型電子顕微鏡法(TEM)その場観察技術を用いて、TEM内部で高純度サファイアにタングステン圧子を導入することでへき開破壊させ、サファイアの清浄表面を作製した。得られたサファイアのへき開表面を高分解能透過型電子顕微鏡法(HRTEM)により観察し、詳細な表面原子構造の同定を行った。 圧子の導入によりサファイア中に生成したき裂は、わずかに湾曲しながら高速で進展した。その破面は(0001)、(112^^-0)などの低指数面に加えて、(112^^-x)(x=3,6,9…)などの高指数面からも構成されており、様々な結晶方位のへき開表面が形成されることが分かった。また、各々のへき開表面の構造は結晶方位に強く依存していることが明らかとなった。すなわち、(0001)面は原子レベルで平坦であるが、(112^^-0)面上には数原子層高さのステップが存在し、そのステップ間には凹凸のある特異なジグザグな原子構造が形成されることが分かった。一方で、(112^^-9)などの高指数表面は原子レベルの平坦性に欠けるラフな構造を有することも明らかとなった。(0001)および(112^^-0)表面においては、最表面と考えられる黒いコントラストの形状およびその周期がバルク領域と異なることから、最表面は再構成されており、サファイアにおけるOut-of-plane方向の原子緩和深さが結晶方位に依存して異なることが、本研究によってはじめて見出されたといえる。
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Research Products
(3 results)