2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大石 裕介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 数値シミュレーション / ダイナモ / 地球磁場 / 地磁気 / 電磁流体力学 / MHD / コア |
Research Abstract |
本研究課題では地球磁場の生成機構の解明を目的として3次元回転球殻系におけるMHD(電磁流体力学)ダイナモシミュレーションを行っている。ここ10年間で盛んに行われるようになった同様のシミュレーションにより、外核内における対流運動と磁場変動によるダイナモ作用についての知見が広がってきている。しかし、これらのシミュレーションで用いているパラメータは実際の地球において予想される値から逸脱しているという問題点がある。本研究課題ではこの問題点の緩和を目的として、計算量の少ないダイナモシミュレーション手法の開発を行った。本手法はこれまでのダイナモシミュレーションで一般的であった球面調和関数変換によるスペクトル変換法において最も計算時間のかかるルジャンドル変換を回避し、経度方向へのフーリエ変換のみを行うものである。本年度は本手法による計算コードの地球シミュレータへの移植および最適化を完了させた。さらに本手法の計算精度の検証を目的としたベンチマークテストを終え、本手法によってスペクトル変換法の数値解と整合的な解が得られることを示した。また地球シミュレータを用いた並列性能評価により、フーリエ展開次数が512次程度以上の高解像度計算においてはスペクトル変換法を上回る計算性能があることを確認した。本手法は今後より高解像度化が進む地磁気ダイナモのシミュレーション研究において有力な選択肢の一つとなることが期待される。本研究課題においてこれまでに得られた成果は国際誌への投稿準備中である。また本研究課題について昨年12月のAGU(米国地球物理学連合)Fall Meetingにおいて研究発表した際にはOutstanding Student Paper Awardを受賞した。
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