2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小寺 克昌 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子ホール効果 |
Research Abstract |
1.2層量子ホール系において、2層自由度が縮退したとき局在長臨界指数がどのように変化するかを詳細に調べた。いくつかの理論的な予想に反し、臨界指数は2層縮退によって変化しないことを実験的に明らかにした。この結果は2次元電子系の性質に関する国際会議(米国ニューメキシコ・7月)等で発表した。 2.超短周期平面超格子量子ホール系の局在長臨界指数を調べた。結果、臨界指数が電流をどの方位に流すかによって大きく値を変えることを明らかにした。特に電流を流す方向とポテンシャル変調のストライプ方向が平行であるとき、臨界指数は通常の2次元電子系のそれ(2.3)に比べて1程度小さい値(1.3)が得られることを発見した。この結果は、低温物理国際会議(米国フロリダ・8月)、および日本物理学会(9月京都)等で発表した。 3.高移動度正孔系の充填率ν〜1/3付近の分数量子ホール領域で非周期的な再現性ある磁気振動が起こることを発見した。これはウイグナー結晶状態と分数量子ホール液体状態の混合状態が形成されていることを反映した現象であるかもしれないことを、いくつかの実験事実によって示した。この結果は、低温物理国際会議(米国フロリダ・8月)、および日本物理学会(3月千葉)等で発表した。 4.高移動度正孔系において、充填率ν〜2/5,2/3,4/3付近の量子ホール領域で、数十分から数時間程度の長時間緩和を伴う磁場によるヒステリシス現象を観測した。この結果は、メゾスコピックスケールの超伝導系とスピントロニクス関する国際シンポジウム(1月神奈川)で発表した。
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Research Products
(3 results)