2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小寺 克昌 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子ホール効果 / 核スピン / 電子スピン / スカーミオン結晶 / 超微細相互作用 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
(1)正孔量子ホール系において,磁気抵抗の長時間緩和現象を観測した.抵抗の緩和の振る舞いは,ν>1とν<1で大きく様子が変化することが見いだされた.現象の説明として,我々は,核スピンや平行伝導が関与する可能性を排除し,異なるスピン自由度を持つランダウサブバンド間での正孔の移動がスピンフリップを伴うために極低温では起こりにくくなることを起源としている可能性を議論した.面内磁場印加に伴う緩和時間の増大や,緩和時間の磁場依存性は,この描像により定性的に説明できる.この結果はPASPS国際会議(仙台、8月)、および日本物理学会(松山3月)で発表した。 (2)電子量子ホール系において,抵抗検出各磁気共鳴(RDNMR)の研究を行なった.特徴的な分散型線形が,スカーミオン励起が形成される充填率ν=1付近において観測される.分散型線形は,充填率|ν-1|<0.15の領域,温度T<150mKの領域で観測された.分散型線形のディップ部分のRF周波数を用いて得た核スピンの縦緩和率1/T1は,ν>1で明確な増大と異常な温度依存性が観測された.一方,分散型線形のピーク部分のRF周波数を用いて得た核スピンの縦緩和率1/T1は,ν>1でもほぼ変化が見られない.ディップ部分のRF周波数を用いて得た核スピンの縦緩和率1/T1の振る舞いは,この充填率領域で形成されるスカーミオン結晶の性質を反映しているものと考えられる.この結果は、半導体特性に関する国際会議(オーストリア・ウィーン、7月)、スピンに関する国際会議(仙台、8月)、日本物理学会(鹿児島)で発表した。
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Research Products
(5 results)