2005 Fiscal Year Annual Research Report
球状星団の観測による50億年後の太陽の進化モデル構築
Project/Area Number |
05J11195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 典之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 恒星進化 / 赤外線天文学 / 変光星 / 球状星団 / 太陽 |
Research Abstract |
本研究では、太陽質量程度の星が誕生してから100億年程度で迎える進化の最終段階がどのようなものかを、球状星団の近赤外線観測によって調べている。銀河系では約150個の球状星団が見つかっており、そのどれもが100億年程度の古い恒星集団で、ちょうど太陽と同じような星が進化の最終段階にさしかかっている。申請者は名古屋大学や国立天文台が南アフリカ共和国に建設したIRSF望遠鏡を用いて、球状星団の近赤外線観測を行っている。本観測は、現在知られている150個のうち、南半球から観測できる143個を観測するという他に類を見ない大きなプロジェクトであり、2002年から毎年観測を継続している。今年度も7月8月の2ヶ月間、現地に滞在して観測を行った。太陽は進化の最終段階でミラ型変光と呼ばれる脈動を行う時期を過ごすと考えられているが、長期の反復観測によって、100日から1年以上の長いタイムスケール(周期)の脈動の性質を調べることができる。 今年度の主な成果は、上記の南アでの観測と以下の2点の研究発表である。ひとつはこれまで行った観測結果をまとめて、ミラ型変光星の性質に関して、イタリアで開催された変光星に関する研究会で発表を行ったこと("Stellar Pulsation and Evolution", Workshop, June 19-24, 2005, Rome, Italy)。もうひとつは、直接観測を用いてはいないが、同じような質量だと考えられている銀河系バルジ領域のミラ型変光星について、ポーランド・米国共同で行われたOGLEプロジェクトのデータベースを用いて行った申請者の研究をMonthly Notice of Royal Astronomical Society誌上にて発表したことである(Matsunaga et al,2005,MNRAS,364,117-125)
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Research Products
(1 results)