2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラムダハイパー核の非中間子弱崩壊モードの実験的研究
Project/Area Number |
05J11197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸田 朋史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ラムダハイパー核 / 非中間子弱崩壊 / 国際研究者交流 / イタリア |
Research Abstract |
本研究の目的はラムダハイパー核実験を通じて、ハイペロン・核子間の相互作用の。具体的にはラムダハイパー核の非中間子弱崩壊(NMWD)の測定を行う。 研究は高エネルギー加速器研究機構(KEK)で行った実験(E462/E508)及びイタリアにあるフラスカティ研究所で現在進めている実験(FINUDA)により行っている。 KEKで行った実験では、質量数が異なる2種類のハイパー核(^5_ΛHe、^<12>_ΛC)のNMWDにおける非対称パラメータの測定を行った。これらの実験では高統計のデータを収集し、また測定が困難であるために従来行われていなかった中性子の測定を行った。またモンテカルロシミュレーション等を行い、過去の実験に比べ不定性が非常に小さな測定結果を得ることに成功した。過去の実験結果は2つの核種において、反応機構に大きな差がある可能性を示唆していたが、実験精度が低く、結論を導くのは困難であった。しかしながら本実験により、これらの核種において反応機構に差が無いことを示した。また従来の中間子交換模型を基にして行われてきた理論計算では、本実験の結果を説明することが困難である。研究代表者はこれらの結果を論文にまとめた。 FINUDA実験では、精度良く検出器の位置合わせを行った結果、1.29MeV(FWHM)という高いエネルギー分解能が得られ、ハイパー核の基底状態を精度良く選び出すことに成功した。現在、NMWDにより放出された崩壊粒子の解析を進めている。また来年度に予定されている次のデータ収集に向けて、新しく時間測定用の検出器を開発した。これにより時間分解能が大幅に向上することが期待され、ハイパー核の崩壊機構を、より様々な角度から研究することが可能になると見込まれる。
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Research Products
(3 results)