2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11215
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相阪 有理 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 超空間 |
Research Abstract |
本年度はゲージ/弦理論対応の理解を目指し、前年度に引き続き超弦理論の新しい世界面的定式化であるピュアスピノル形式の解析を行い、ピュアスピノルの分配関数の計算及びそこから超弦のスペクトルを再構成する研究を行った。ピュアスピノルは基本的にはボソン的カイラルスピノルであり、10次元時空では11成分の独立な自由度を持つ。しかし非線形の拘束条件が課されたオブジェクトであるため、その空間を標的空間とする弦の状態の数を計算することは必ずしも容易ではなく、ピュアスノルの空間の大域的性質等を考慮した解析が必要となる。弦の重心運動(ゼロモード)の寄与に関してはBerkovits及びNekrasovによる先行研究があり、ピュアスピノル空間に対するローレンツ群の作用の不動点に於ける分配関数への寄与を足し上げることで比較的簡単に状態数及びそれに付随した分配関数を計算できることが知られていた。私は本年度の研究で、弦のノンゼロモードの分配関数への寄与をどのように取り入れればよいかを解明し、それを用いた計算結果と別の方法で具体的に構励した起状態の数を比較しそれらが一致することを確認した。また、この方法で得られた分配関数を、超弦の他セクタ(弦の超空間への埋め込みを表す部分)の分配関数と組み合わせたものから、超弦のスペクトルを再構成する方法をほぼ明らかにした。今後、何故この方法で超弦のスペクトルが計算できるのかを解明し、また非自明背景場中への拡張などの研究を行っていく予定である。
|
Research Products
(1 results)