2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11224
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ウーイェー O. 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 作用素 / K理論 / Baum-Connes予想 / 指数定理 |
Research Abstract |
私はBaum-Connes予想について研究している.Baum-Connes予想は,簡単に言えば,Atiysh-Signerの指数定理の群作用同変拡張であり,その肯定的な解決からNovikov予想やKaplansky予想など重要な予想が従うため,非可換幾何学のもっとも重要な予想であると言われている.私は今年度,その根本になるAtiysh-Singerの指数定理のより深い理解を得るために,その類似であるConnes-Moscoviciの局所指数定理とNest-Tsyganの代数的指数定理について研究した.これらの指数定理は類似でありながらその研究の手法,用いる道具などは大きく異なる. 局所指数理論はConnes流の非可換微分幾何学的要素が強く,主にK理論や巡回コホモロジー理論を用いる.最初の応用が双曲群に関するNovikov予想の解決であり,現在も盛んに研究されている.しかし,その群作用同変版はまだ十分に理解されていない.例えば,あるGelfand-Fuks特性類によって記述されることは知られているが,その特性類が具体的にどんなものかは分かっていない. これに対し,代数的指数理論は変形量子化に対する指数理論であり,強ホモトピー・リー代数を用いた非常に強力であると同時に非常に複雑な理論である.しかし,特性類の計算が可能であるという利点がある. 私は局所指数定理の特性類は代数的指数理論の手法によって計算できると考えている.そのためには代数的指数理論の簡略化が不可欠であり,私は第一歩として,ユークリッド空間の場合を詳しく調べている.
|