2005 Fiscal Year Annual Research Report
写像類群やホモロジーシリンダーのなす群に関連する3次元多様体の不変量の研究
Project/Area Number |
05J11227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
逆井 卓也 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 位相幾何学 / 写像類群 / ホモロジー同境 / 3次元多様体 |
Research Abstract |
曲面の写像類群,ホモロジーシリンダーのなす群とそれに関連した3次元多様体の不変量について以下の結果を得た. 1.Johnson kernelと呼ばれる写像類群の重要な部分群について,その2次の有理コホモロジーの次元の下からの評価を与えた.具体的には,第2Johnson準同型が誘導する2次の有理コホモロジーの間の写像の核をシンプレクティック群の表現論を用いて記述した.結果として,その核が第4Johnson準同型の像として現れるベクトル空間と一致することがわかった.なお,同様な現象はより高次のJohnson準同型に関しても成立する. 2.CocharanやHarveyによって始められた非可換Alexander不変量の,ホモロジーシリンダーのなすモノイドや群に対する応用を与えた.とくに,彼らの不変量をtorsion-degree functionと呼ぶ,特殊な非可換体上の行列に対する関数という形に一般化し,以前に定義したホモロジーシリンダーのMagnus表現,Reidemeister torsion, closing manifoldとの関連を,不変量の分解公式として与えた.こうして得られた不変量によって,ホモロジー同境であるが,同型でないホモロジーシリンダーが非常に豊富に存在することがわかった.また,torsion-degree functionはホモロジーシリンダーの群の群論的対応物である,自由群のacyclic closureの自己同型群の研究に応用できることもわかった. 以上の成果をそれぞれ論文にまとめ,投稿ならびにホームページやプレプリントサーバー通じて発表した.
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