2006 Fiscal Year Annual Research Report
写像類群やホモロジーシリンダーのなす群に関連する3次元多様体の不変量の研究
Project/Area Number |
05J11227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
逆井 卓也 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 位相幾何学 / 写像類群 / 3次元多様体 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を得た. 1.以前に定義した,自由群のacyclic closureと呼ばれる群の自己同型群AutF^<acy>_nに対するMagnus表現に関して,自己同型が曲面のホモロジー同境から誘導されるものであった場合に,対応するMagnus行列がある非可換なシンブレクティック関係式を満たすこと示した.この表現と,以前に定義した非可換環を用いた次数写像の合成として得られる整数値不変量を考えると,シンプレクティック性の系として,曲面のホモロジー同境のなす群上でその不変量が自明となることが従う.一方でこの不変量そのものはAutF^<acy>_n上で非自明であり,それを用いてAutF^<acy>_nのいろいろな部分群が無限生成となることを示した. 2.曲面のホモロジー同境が与えられたときに,その境界を閉じること(closingと呼ぶ操作)により,閉3次元多様体を構成することができる.一方ですべての閉3次元多様体は,ある種数以上において,このようにして構成される(オープンブック分解の理論の類似).closingに関連して,与えられた閉3次元多様体Xを実現するホモロジー同境の最小種数の決定問題が考えられ,現在のところ,Xがレンズ空間の場合やH_1(X)が自由加群の場合などを中心として解答を得た. 3.曲面の場合に引き続き,高次元の多様体のホモロジー同境のなす群についても考察を行った.とくに,多様体が(#_n(S^1×S^l)\D^<l+1>(1【greater than or equal】2)のときに,AutF^<acy>_nへのモノドロミー準同型が全射となることを示した. 4.上述の非可換環を用いた次数写像に関して,その直接計算の方法が問題となっている.関連する理論を学習ならびに整理し,計算機を用いた実験を行った.
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Research Products
(3 results)