2005 Fiscal Year Annual Research Report
実解析学における関数空間の研究および偏微分方程式への応用
Project/Area Number |
05J11230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤野 嘉宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Morrey空間 / 分数積分作用素 / Sharp-maximal operator / Triebel-Lizorkin、Besov空間 / 特殊関数微分方程式 / ベクトル値 |
Research Abstract |
今年度は、昨年得られた$L_p$空間のノルムの特徴づけをベクトル値拡張した。いくつかの性質のよい重みを考えて、重みをつけた$L_p$ノルム不等式を証明した。その結果重みつき$L_p$不等式を用いることでベクトル値不等式は証明される。また、ユークリッド空間上の一般測度に対する分数積分作用素を数種類定義してその有界性を調べた。これにより、ある意味で関数の滑らかさを記述できたことになる。この新しい分数積分作用素はフラクタル集合上のハウスドルフ測度に対しても有効である。微分可能性を記述するもうひとつの方法としてMorrey空間をもとにして定義したTrielbe-Lizorkin-Morrey空間とBesov-Morrey空間を考えた。この関数空間は多くのRadon測度に対して定義される。これらの関数空間の定義の正当性を立証するだけではなく、特異積分作用素の有界性をも示すことが出来た。Triebel-Lizorkin空間、Besov空間の特別な場合つまりルベーグ測度の場合は関数を分解する方法が知られているので、それを応用して遅れ方程式$f'(x)=f(x-1)$を解いた。われわれの関数を分解する方法は従来の方法に比べて関数等式を満たしている関数を用いているという点で優れている。関数を分解すると調べるべき項がたくさんあるが、関数を分解しなくても微分方程式たとえばNavier Stokesの方程式に応用が出来るということもわかった。
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Research Products
(5 results)