2005 Fiscal Year Annual Research Report
グラスマン多様体上での構成可能関数のラドン変換の反転公式と像の決定に関する研究
Project/Area Number |
05J11234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松井 優 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 構成可能函数 / 積分変換 / 超局所解析 / 双対多様体 |
Research Abstract |
本研究はD加群の解層,更には一般の構成可能層の指数を表す構成可能函数の代数的な積分変換(ラドン変換)についてその像の特徴付けを行うものである.これまで組み合わせ論的な観点からの研究を行い,グラスマン多様体のシューベルト胞体の特性函数の変換像をヤング図形を用いて表記する結果を得ていたが,本年度は超局所解析的な考察を行い次の結果を得た. 1,射影空間とその双対空間の間の構成可能函数の積分変換の像の特徴付け: 複素の場合エルンストレムによってすでに得られていた結果の簡潔な証明を与えるとともに,実の場合にこの結果を拡張した.具体的には,実射影空間上滑らかな多様体の特性函数のラドン変換の超局所的な像(特性サイクル)が代数幾何で古典的に知られている双対多様体の次元や曲率を用いて記述できることを明らかにした.この場合ラドン変換像とは元の多様体の超平面切断の幾何学的オイラー数を表すが,この結果によりラドン変換像の値の変化を双対多様体の幾何特に特異点の様子によって完全に決定できる. 2,双対多様体の次数を求める公式: 1の複素代数幾何への応用として,超局所解析的考察と構成可能函数の理論を用いることで従来の結果の拡張を得た.またこの考察を双対多様体のグラスマン多様体への一般化であるk-双対多様体へ拡張し,その次数を求める公式を得た.更にはこれらの公式の具体的な表記についても研究を行った.まずチャーン・マザー類を用いた表記を得,ドリーニ・カッツにより得られていた結果を特異代数多様体に拡張した.更にそれらを具体的に計算するアルゴリズムを見出し,いくつかの具体的な場合について計算を行い,元の多様体の次数とミルナー数などの幾何学的不変量を用いた最も具体的な表記が得られることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)