2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11251
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹野 耕平 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Nd: YAGレーザー / 注入同期 / 高出力レーザー / 単一周波数レーザー / 重力波検出器 / 周波数安定化 |
Research Abstract |
日本の次世代重力波干渉計の光源となるNd: YAGレーザー(1064nm)の開発を行っている. 注入同期法により,100W・単一周波数のレーザー発振を実現し,空間的特性も回折限界であることを確認した.出力は直線偏光であり,優れた出力特性を示している. 長時間動作を検証したところ,10時間以上の注入同期が確認され,100W出力はほとんどドリフトなく持続することが分かった.したがって,ビーム品質が良好で,長時間動作に耐えるレーザー出力が達成された. 100W出力の一部をピックオフして光共振器に同期させ,注入同期レーザーの周波数安定化を試みた.用いた周波数参照器はスーパーインバーで作成したリング型のスペーサーに高性能の鏡を貼り付けたものであり,フィネスはS偏光に対して2900である.この光共振器は環境雑音に敏感に反応するため,真空中に設置することで音響雑音の影響を低減した.また,地面振動の影響を減らすために,2段の金属ばねステージに設置した. Pound-Drever-Hall(PDH)法を用いて注入同期レーザーを周波数参照に周波数同期させ,周波数安定度の評価を行った.まず,注入同期レーザーのフリーランでの周波数雑音は,種光となるマスターレーザーの周波数安定度と一致した.これは,注入同期の理論的予測と一致するものであり,注入同期が理想的な状態に保たれていることを示す. PDH法の誤差信号から換算した周波数安定化後のスペクトルは,100Hzで10^<-1>Hz Hz^<-1/2>のオーダーであり,100Wクラスの高出力レーザーの周波数安定度としては,世界的に見ても他に報告例はない結果である.
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Research Products
(2 results)