2005 Fiscal Year Annual Research Report
先進複合材料フェールセーフ構造中に発生した部材損傷の位置同定手法の確立
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05J11258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 正太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | CFRP / グリッド構造 / FBGセンサ / ヘルスモニタリング / 低速衝撃損傷 / 有限要素解析 / 統計的異常値検知手法 |
Research Abstract |
これまで要素技術レベルでの検討が進んできた構造ヘルスモニタリングであるが、実構造レベルの適用が求められている。申請者は、CFRPを用いた既存の構造のうち、これまで自身が習得していた要素技術であるFBGセンサを用いるのに最も相応しいものとして、CFRPグリッド構造を選択し、これに生じる損傷のヘルスモニタリングを行っている。 CFRPグリッド構造は、その製造の難しさから、特定用途にのみ特化して製作されてきた。そのため、損傷形態すら満足に解明されていない。そこで本研究ではまず、物体の衝突時に生じる損傷を調べるため、低速衝撃試験を行った。その結果、スキン無(リブのみ)のグリッド構造では、局所座屈による繊維破断とせん断によるスプリッティングが生じることがわかった。 次に、以上で検討した損傷をモデル化し損傷発生による構造への影響を調べるため、有限要素解析モデルを新たに構築した。この解析手法を用いて、損傷の構造への影響を調べた。その結果、リブ軸方向の損傷前後のひずみ差、すなわち、損傷の発生による荷重(応力)の再配分に損傷情報が含まれていることを明らかにし、多点化し各リブに埋め込んだFBGセンサを用いることが、可能かつ有効であることを示した。 更に、得られたデータからの損傷の存在及びその位置を特定する方法として、統計的異常値検知手法を新たに提案した。この方法を用いることにより、リアルタイムにCFRPグリッド構造の健全性を診断できるようになった。 以上の提案したヘルスモニタリング手法の有効性を実際に確認するため、実際に多点化したFBGセンサを埋め込んだCFRPグリッド構造を作成し、これに擬似損傷を与え、提案したヘルスモニタリング手法を使って損傷が検知できるかどうか実験した。その結果、損傷の有無を正確に割り出すことに成功し、損傷位置も大まかに推定できることがわかった。
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Research Products
(1 results)