2005 Fiscal Year Annual Research Report
高速なトランザクション処理を可能とするXMLデータベースの開発
Project/Area Number |
05J11265
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 太郎 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | XML / データベース / トランザクション |
Research Abstract |
テキスト形式で、階層化されたデータを記述できるXMLは、あらゆるデータを表現するための標準フォーマットとして注目を集めている。しかしながら、XMLデータに対する複数の更新操作を並列かつ同時に処理するためのトランザクション処理の研究は、未だ発展途上にある。 本研究では、トランザクション処理中の排他制御のパフォーマンスにおけるボトルネックは、必要以上にXML階層構造を保護することにあることを発見した。そして、XMLデータの階層構造を変化させても、データとしての意味が失われないものが多いことに着目し、XMLの階層構造にとらわれない問い合わせ手法であるAmoeba Joinの開発を行った。この成果は論文にまとめ、現在投稿準備中である。また、第5回XYZ Workshop 「XML処理手法と理論」において口頭発表を行った。Amoeba Joinを用いることで、階層構造の保護が必要な場合とそうでない場合を区別でき、トランザクションの性能の向上が期待できるため、Amoeba Joinの存在下でのロック手法も開発中である。 それにより、当初の研究計画では、問い合わせ言語の標準であるXQueryを用いてベンチマークを作成する予定であったが、Amoeba Joinによる問い合わせは現時点のXQueryの文法では容易に記述できず、ベンチマークの作成は現実的ではなくなったため計画を変更している。 また、本研究の最終的な研究成果物であるXMLデータベースシステムXerial(エクセリアル)をオープンソース形式で公開するための、ウェブサイトを構築した(http://www.xerial.org/)。ここで公開されているXMLデータを扱うプログラムは、バイオインフォマティクスの分野でも活用されており、出芽酵母の画像データベースであるSCMD [NAR2005]の実装にも使われている。
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Research Products
(1 results)