2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11279
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張 鋭 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 汎用性結合性 / IDベース記号 / 安定性定式化 |
Research Abstract |
1.理想機能性の設計 タッチパネルや押しボタンなどをもちいて投票行為そのものを電子化するといった狭義の電子投票ではなく、現実に必要なシステムを抽象化し、モデル化をした。この際、ここでモデル化される理想機能性がどのように実装されるかについても考察を行った。理想機能性を抽象にすればするほど、システムを構築する際に、設計の柔軟性があるが、実際に実現する難しい欠点もある。そこで、バランスを採りつつ、理想機能性を設計した。 匿名通信路の構築するときに使ったIDベース暗号に関しても、理想機能性のモデル化を研究し、従来研究の不足点を指摘し、新たな理想機能性を設計した。この研究成果は近いうちに、国際会議で発表する予定である。 2.匿名通信路の構築 匿名通信路について、従来知られているMix-NetとOnion-Routingの二つの方法について、多重暗号化による実現を考察する。多重暗号化について、従来の手法は独立した暗号ブロックから作り、汎用性をもつが、効率性がうまく達成できない。これを解決するため、近年注目されている。IDベース暗号に基づく多重暗号化を考えている。IDベース暗号とは、同じシステムに属する利用者に同じ公開パラメータを持たせ、鍵管理を容易にする暗号方式である。 近年、双線形写像を有する楕円曲線に関する認識の発展とともに、様々な効率のよい実現方法が提案されている。しかし、基本になる安全性概念について、まだ認識は不十分な現状もある。そして、今回IDベース暗号の安全性定義を丁寧に定義し、それぞれの関係を示した。Fujisaki-Okamoto変換はIDベース暗号において汎用的に利用できることを確かめ、さらに拡張したFujisaki-Okamoto変換を提案した。また、改めてBoneh-Franklin IDベース暗号方式に対する安全性証明をし、より効率のよい方式を提案した。Boneh-Franklinは初めて厳密な定義モデル化した上での安全性が証明された方式であり、以後研究の基礎となる非常に重要な方式である。
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Research Products
(3 results)