2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11282
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 桂太 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光線情報 / 構造推定 / 任意視点画像合成 / 多視点カメラ / 多眼ステレオ / 三次元視覚情報 |
Research Abstract |
本研究課題は,視覚情報の基本的な単位である「光線」に着目し,実世界の三次元視覚情報を扱う基盤技術の確立を目指すものである.これらの技術は,次世代の遠隔地通信、バーチャルリアリティ,映像製作など,多くの分野での応用が期待される.本課題の対象には,大きく分けて従来の三つの研究分野(コンピュータビジョン,コンピュータグラフィックス,および信号処理)が関連する.本研究では,それら従来の研究分野の枠組みを超えた統合的・俯瞰的な視点から,新たな技術や理論体系の創造を目標とした研究を実施した. 被写体の構造推定法に関する信号処理的な枠組みの提案に向けた基礎検討 1年目に引き続き,多視点カメラ画像をもとに被写体の構造を推定する手法について検討した.本年度は,従来のコンピュータビジョン的な構造推定問題を多次元信号処理の問題として捉え直すことで,新たな理論的枠組みの構築に向けた基礎検討を行った.特に,多眼ステレオ法におけるマッチング誤差(コンピュータビジョン分野の考え方)と,多次元光線情報の再構成におけるエイリアシング雑音(信号処理分野の考え方)の関係を示唆する理論的考察を行った. 研究のまとめ 本課題の研究の通して得られた知見・成果のまとめを行った.まず,光線情報の取得・伝送・提示を実時間で行う新たなシステムの開発に向けた知見をまとめた.本課題で開発した任意視点画像合成ソフトウェアは完成度が高く,将来的に,これを実際の多視点カメラ装置と組み合わせて,動空間を実時間処理するシステムを構築するための準備が整いつつある.さらに,本研究では,「光線」という基本要素に着目して三次元視覚情報を扱うことにより,関連する研究分野(コンピュータビジョン,コンピュータグラフィックスおよび多次元信号処理)を横断する議論が可能となることを明らかにし,新しい研究分野開拓への道筋を示すことができた.
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Research Products
(3 results)