2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを利用した高機能細胞実験システムの開発
Project/Area Number |
05J11311
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 真紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞接着制御 / ナノファブリケーション / マイクロチップ / 自己組織化膜 / ナノパターニング |
Research Abstract |
本研究では細胞より小さなパターニング上で細胞を培養することで細胞機能を制御することに着想し、表面と細胞接着の相互関係を正確に制御できるデバイスを開発することを目的としている。更に各細胞の最良なナノパターンを並べた細胞アレイデバイスをマイクロチップに組み込み、高機能バイオデバイスを構築することを目的としている。本年度は形状・化学状態を制御したナノパターンの形成と評価、およびマイクロチャネル内にパターンを作製し、細胞を接着・生育させることを目的とした。 超微細加工法により石英基板上に100nmオーダーの金属パターニングを加工した。更に金属・石英部分にそれぞれ異なった自己組織化膜を形成させることで、形状・化学状態を制御したナノパターンを作製した。パターンの評価は、走査型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡を用いてパターン形状を確認し、飛行時間型二次イオン質量分析により表面の化学状態を確認した。このパターンにマウス繊維芽細胞を接着させたところ、パターンの形状・サイズにより細胞の形態に変化が見られた。 また、数百μmの幅・深さを持つマイクロチャネル内にナノパターンを作製し繊維芽細胞を培養したところ、細胞は長期間接着・生存し、パターンを認識して形態を変化させていることが観測できた。来年度はナノパターンのより詳細な評価と、接着細胞の分化・物質生産能などを制御する予定である。更に当研究室で確立したマイクロ流体操作を駆使した新しいバイオデバイスの確立を目指す。
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Research Products
(1 results)