2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを利用した高機能細胞実験システムの開発
Project/Area Number |
05J11311
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 真紀子 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | マイクロ化学システム / ナノ加工 / パターニング / 細胞接着 / 細胞形態 / 細胞分化 / マイクロチップ |
Research Abstract |
本研究では接着斑を基点とした焦点接着に注目し、細胞が接着する表面を数百ナノメートルの接着斑スケールで制御したナノパターン表面を開発することを着想した。微細加工プロセスにより、石英ガラス基板上に最小幅250nmのストライプ状の金ナノパターンの加工に成功した。作製した金ナノパターン基板にアルカンチオールとアルキルシランの自己組織化膜をパターニングすることで、タンパク質吸着/非吸着の高コントラストを持つナノパターン表面を実現した。 開発したナノパターン表面で細胞を培養し、細胞の接着や配向性、増殖を制御した。また、マイクロチャネル内のナノパターン表面上にも細胞を配列させ、微小空間内での長時間培養に成功した。さらに制御した細胞の分化誘導に成功し、制御された細胞の分化機能は維持されていることを見出した。本ナノパターン表面を活用することで細胞を自由に接着,配列させることが可能で、マイクロチャネル内にナノパターンを構築すれば、制御した細胞を利用した高機能細胞実験マイクロデバイスが実現できると考える。 以上のように本研究は、新規ナノパターン表面を用いて細胞機能を制御・利用したマイクロチップ特有の新しいシステムを開発し、マイクロ化学システムに大きな進展をもたらした。バイオアッセイやバイオリアクターなどの応用だけでなく、単一細胞レベルでの細胞解析など生命科学の基礎研究のツールとなると期待でき、今後生命科学や医学分野に貢献すると期待できる。
|
Research Products
(2 results)