2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J11357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 正弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高分子特性解析 / 溶液分析 / 光散乱法 / 分子形態・構造 / 植物細胞壁 / セルロース / ヘミセルロース / 架橋構造 |
Research Abstract |
高分子素材・材料の巨視的物性・機能性を分子論的に明らかにすることは、高分子の機能開発を合理的・発展的に進めるうえで大きな意義が有ると考えられる。こうした観点に基づき、本研究は、近年大きな技術的発展がみられた溶液分析-光散乱法による各種天然・合成高分子の正確かつ詳細な分子特性解析(手法の確立を含む)、およびそこから得られる情報に基づく各種高分子素材・材料の巨視的物性・機能性の分子論的考察を主な内容としている。 すなわち、従来の高分子特性解析手法に比べて各種試料への適用性が高く、かつ得られる情報量の多いSEC-MALS法(サイズ排除クロマトグラフィー-多角度光散乱検出法)を用いて、各種天然・合成高分子の絶対分子量(直鎖状高分子では分子鎖の一次元的長さに相当)、分子量分布、溶液中での回転半径(分子鎖の三次元的広がりに相当)および溶液中での分子鎖の形態(剛直棒状・ランダムコイル等)、分子構造(分岐・架橋等の有無)、分子鎖の固さ(持続長)等の分子特性に関する基本的情報の収集・体系化を進めている。また、溶液中で独立した分子鎖が環境の変化に応答して形成する特異的形態(らせん構造等)および多分子間で形成する会合・凝集体等について、その特性および形成原因・形成挙動等の解析を行っている。さらに、こうした微視的な分子特性および分子挙動(分子形態遷移、会合・凝集体形成挙動等)と巨視的な材料物性・機能性との相関について、実際に使用されている各種機能性高分子を対象に階層的に検討を進めている。各発表はこうした基本方針に基づき、各種天然・合成高分子について得られた結果の報告として行われた。 また樹木細胞壁中の各種天然高分子(セルロース、ヘミセルロース、リグニン等)間に予想される分岐・架橋構造について、分子構造間の差異に感度を有する上記SEC-MALS法を適用し、その定性的/定量的解析を進めている。
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Research Products
(6 results)