2005 Fiscal Year Annual Research Report
成体マウス嗅球において新規に同定された顆粒細胞の解析
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05J11401
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成塚 裕美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経科学 / 嗅球 / 顆粒細胞 |
Research Abstract |
本研究では、成体nestin-promoter GFP mouseの嗅球においてGFPによって可視化された新しいタイプの顆粒細胞(type S cellと命名)の形態と機能の解明を目的としている。平成17年度は、type S cellの形態ついて詳細な解析を行なった。 まず、色素でラベルしたtype S cellの樹状突起の構造について定量的な解析を行い、これまでに知られている顆粒細胞と比較した。樹状突起上に存在する突出物(protrusion)をfilopodia、stubby spine、headed spineに分類し、全protrusionにおけるそれぞれのタイプのprotrusionの割合を算出した。その結果、type S cellはこれまでに知られている顆粒細胞に比べて、filopodiaの割合が少ないことが明らかになり、より安定した樹状突起の構造をもっていることが示唆された。また、色素によるラベリングによって、type S cellの樹状突起先端に位置するheaded spineのいくつかは、投射ニューロンの一つである僧帽細胞の細胞体に接していることが判明した。これら、接しているspineは、type S cellの他の部位のheaded spineや、典型的な顆粒細胞のheaded spineよりも有意に大きいことが明らかになった。次に、type S cellのシナプス入出力の場を明らかにする為に、樹状突起先端のheaded spineに注目し、電子顕微鏡による観察を共同研究によって行なった。その結果、type S cellは樹状突起先端のheaded spineにおいて僧帽細胞の細胞体と相反性のシナプスを形成していることが明らかになった。
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