2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法に基づく新規骨形成誘導剤・遺伝子治療の開発と骨再生システムの確立
Project/Area Number |
05J11405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大庭 伸介 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨再生 / 骨芽細胞分化シグナル / 人工ウィルス / 骨形成誘導剤 |
Research Abstract |
1.最小かつ十分な骨芽細胞分化シグナルユニットの絞り込みとその分子メカニズムの解明 BMPシグナル、Hhシグナル、Runx2シグナル、Wntシグナル、IGF-1シグナルをそれぞれ活性化あるいは抑制する遺伝子を持つ10種のアデノウィルスベクターの全組合せをCol1GFP-ES細胞に導入し、GFPの蛍光発色を指標に1週間以内に骨芽細胞分化を誘導するシグナルのスクリーニングを行った。その結果、BMPシグナルとRunx2シグナルを活性化した組合せ(caALK6+Runx2)が上記の条件を満たす最小の組合せであった。更に、caALK6+Runx2は幹細胞のみならずヒト線維芽細胞等の終末分化成体細胞をも骨芽細胞に分化させることが確認された。またその作用機序としてはRunx2によるCbfb(Runx2の転写共役因子)の安定化とBMPシグナルによるRunx2-Cbfb複合体の形成促進及び複合体のDNAへの結合促進を介することが明らかとなった。さらに、BMP2・BMP6ダブルノックアウトマウスの解析からBMP2・BMP6が骨発生に関与することが確認された。 2.最小シグナルユニットを活性化する合成低分子化合物・天然低分子化合物の検索 合成低分子化合物・天然低分子化合物ライブラリーのスクリーニングの準備段階として、Col1GFPを有する2つの細胞株(Col1GFP-C3H10T1/2,Col1GFP-MC3T3E1)を樹立した。また、兔疫抑制剤として市販されているFK506が骨芽細胞分化促進作用を有することも明らかとなった。 3.人工ウィルスによる遺伝子導入法の開発 caALK6+Runx2を人工ウィルス(PEG-DET)によりマウス初代骨芽細胞へ導入したところ、in vitroで骨芽細胞分化が誘導された。
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Research Products
(4 results)